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外来・入院・各種検診

関節鏡視下手術について

これまで肩関節や膝関節の手術は皮膚を大きく切開する必要があり、患部とは関係のない筋肉などを損傷せざるを得ませんでした。近年、関節鏡手術が発展し筋肉を傷めることなく高度な手術が1センチメートル程度の切開で行えるようになりました。

傷が小さいためほとんど出血が無く、従来の方法と比べ痛みが少なく術後のリハビリがスムーズに行えるようになり患者さんの負担も小さくなっています。
また、ほとんどの場合、傷は目立たず美容上のメリットもあります。損傷部位を数十倍に拡大して手術を行うため従来の手術より精密な手術が可能となったことも大きなメリットといえます。

関節鏡(直径5ミリメートル)
関節鏡(直径5ミリメートル)
手術はモニターを見ながら行います
手術はモニターを見ながら行います

関節鏡で手術できる病気、怪我

腱板断裂、反復性肩関節脱臼、関節唇損傷、インピンジメント症候群、肩関節拘縮など
野球肘、離断性骨軟骨炎など
半月板断裂、前十字靱帯断裂など

肩の関節鏡視下手術

腱板断裂とは?

腱板は肩甲骨と上腕骨をつないでいる腱です。50歳以上になると強度が低下してくるため、転倒や重いものを持ち上げた衝撃で断裂することがあります。多くは外傷後に発生しますが、労働やスポーツなどの影響で大きな外傷がなく断裂する場合もあります。

腱板に断裂がある場合、当院では通常、まず手術を行わずに治る可能性を検討しリハビリを含めた十分な保存療法を行います。しかし保存治療で改善しない場合は、関節鏡を使用して腱板の修復術を行っています。具体的には糸が付いたアンカーと呼ばれる小さなスクリューを骨に固定し、糸で腱板をしっかりと修復します。

小さな傷で手術ができるため、手術後2日ほどでシャワーを浴びたり、リハビリを開始することができます。腱板断裂の治療では術後のリハビリが非常に大切ですが、当院ではノルウエー製の特殊器具を使用するなどの工夫を行い、痛みができるだけ少なくかつ肩関節機能の早期改善を目指したリハビリを実践しています。

手術前のMRI腱板が切れている
手術前のMRI腱板が切れている
手術後のMRI腱板が修復されている
手術後のMRI腱板が修復されている
関節鏡(直径5ミリメートル)
関節鏡で見た腱板断裂部
腱板が骨から剥がれている
手術はモニターを見ながら行います
手術後の様子
腱板が骨に固定されている

反復性肩関節脱臼とは?

脱臼がくせになり、ちょっとしたことで何度も脱臼することを言います。

どこが傷んでいるの?

関節唇を修復したところ
(関節鏡で見た画像)

肩関節はもともと脱臼しやすい構造をしています。
脱臼しないように関節唇という防波堤や関節上腕靭帯という靭帯で支えていますがスポーツ中の外傷などで肩の脱臼が起こり、この関節唇や靭帯を傷めてしまうと脱臼しやすくなります。

放置すると脱臼に伴って骨が削れるため、将来、変形性関節症になる場合があります。
手術では、アンカーを骨に挿入し糸で関節唇や靭帯を骨にしっかりと固定させます。

手術は全て関節鏡視下に行うため傷は5ミリメートルの傷が2~3か所のみです。2日後にはシャワーやリハビリが可能となります。就労・就学は数日後には可能となります。関節唇がしっかり安定するために3~6ヶ月かかりますので軽いスポーツの復帰には3ヶ月かかります。

反復性肩関節脱臼をMRIで見たところ
反復性肩関節脱臼をMRIで見たところ。矢印は、はがれた関節唇です。
(右)MRI写真の患者さん 肩を前に押すと脱臼しています。
術前:MRI骨頭が前方に脱臼している
術前:MRI骨頭が前方に脱臼している
術後:骨頭は正常の位置に戻っている
術後:骨頭は正常の位置に戻っている

肩関節拘縮とは?

通常の五十肩の場合はほとんどがリハビリを行ったり薬を服用することで痛みがなくなり肩の動きも良くなっていきます。
しかし、時にリハビリを数か月行っても痛みや関節の固さが改善することなく慢性化する場合があります。特に外傷後に起こった場合や糖尿病を患っている方ではこの傾向があるといわれています。

必要な場合は手術を行う場合があります。手術方法は関節鏡で関節内の硬くなった関節包という部分を切離する方法です。

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